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何もなくなってしまったこのTokyo。
「朝」が来ないこの場所。
1%にも満たない確率に賭けてみたくなった俺の考えは
馬鹿だったのかもしれない。
■■■再開の朝■■■
第弐話:「奴隷と拘束」
この地、Tokyoで自由なんてものはない。
「朝」が消えて、闇が訪れ、地震に襲われて住まいを無くした人々。
食べ物に不自由した人々は、そのうちお互いに食べ物を奪い合うようになった。
生き延びるため・・・
当たり前の自然の摂理。
そういう人も多かった。
食べ物を奪い合うようになった人々は、お互いの命を奪い合ってまでも
食べ物を得ようとした。
それをみかねた政府は強硬手段として
「ZERO」という機関を設けた。その「ZERO」はお互いに命を奪い合おうとする
人々を拘束しはじめた。無理やりに人々を捕まえて決められた場所にその人々を
閉じ込めて、Tokyoの復興作業を行う手として・・・奴隷として拘束したのだ。
「ZERO」に逆らえば、それなりの処罰を受けなければならない。
Tokyoから「朝」が消えたことで、いつのまにかこんな不条理なモノが現れて、
人間から自由を奪っていった。
俺たちの住むC地区にも「ZERO」の手は伸びていた。
始めはA地区からどんどん反発する人間たちを拘束していった「ZERO」。
「ZERO」の手から逃れるには自分たちが人々から食べ物を奪わなくても生活できる
ということを証明するしかない。
その証明とは・・・・
「この家の責任者は誰だ。」
「・・・・ZERO・・・」
俺たちのところにも「ZERO」はやってきた。
真っ黒のスーツに見を包んだ5人の男。
抵抗すれば命はないと言わんばかりにいずれの手に握られているコルトパイソン。
「・・・俺だけど。」
「名前は・・・TAKEO・・・だな?」
「ああ。」
「そっちにいるのは・・・KIRITO・・・か?」
5人の中のリーダー的存在ともいえる一人の男がベットで寝息を立てているキリトを指差す。
「ああ。」
「・・・・ここの住人はお前ら二人だな?」
「俺たち以外に人がいるように見えるか?」
「・・・・・軽い口はむやみに開かない方が身のためだ。さぁ、出せるものは出してもらおうか。」
かちっと俺に銃口を向ける「ZERO」。
「ZERO」の言う出せるもの。それは・・・・
「・・・・これで満足か?」
ばさばさっ・・
そう言って俺が床にバラ巻いたもの。
それは
「・・・・ちゃんと500万。あるんだろうな?」
そう。大量の万札。
「・・・お前の眼は節穴か?500万以上あるだろ?」
床に山が出来るほどの一万円札を「ZERO」はかき集め袋へと納めた。
「・・・・・・お前は口が軽すぎる。いつかそれが命取りになるぞ。」
「余計な忠告だな。」
「ZERO」はそう言い残し部屋を出て行った。
「ZERO」から逃れる方法。
それは今見たとおり。大人一人につき250万払うこと。
子供は150万。これを払うことができなければ問答無用で拘束される。
大人も子供も、性別年齢に関係なく、政府の命令として拘束されるのだ。
お金の収集は3ヶ月に一回単位で行われる。
つい3ヶ月前にもキリトの分もあわせて500万支払ったばかりだった。
「・・・タケオ・・・?」
「・・・・起きたの?」
「・・・・・金・・・いつもごめん・・・」
「キリトが気にすることないよ。悪いのは不自由な生活送ってる俺らから金を取り上げようとする政府なんだから。」
「ん・・・」
「ZERO」から逃れるためだとか、俺たちの生活維持のためだとか・・・
政府はそんな御託を並べて俺たちから金を取り上げる。
けど、そんなのはただの奇麗事。
実際には政府の人間の立場意地にしか過ぎない。
俺たちから取り上げた金をTokyo復興作業に使うと言い張っているが実際は
自分たちの生活のために使われているのだろう。
きっとTokyoに住んでいる人々にもそんなことぐらいきっと分かっているだろう。
だけど、反発すれば問答無用で拘束される。
そんな政府のやり方に誰も抵抗することは出来なかった。
「なぁ・・・アイツら・・もしかしたら「ZERO」に捕まってるんじゃ・・・」
「・・・かもなぁ・・・」
「・・・・捕まってたら・・・どうすんの・・・?」
「・・・・・・そうだなぁ・・無理やりにでも連れ出してみるか。」
もしかしたらアイツら3人は「ZERO」に捕まって、拘束されているかもしれない。
別れ際にコータが言ったとおり、3人で暮らしているならさっきみたいにお金の
収集で750万、支払わなければならない。
そんな大金が3ヶ月に一回も3人に支払えているとも言えない。
俺みたいにお金の流出場があれば別の話だが・・・
もし「ZERO」に捕まって・・・拘束されていたら・・・
その時は・・・
「・・・その時は・・・アイツらの脱獄に手を貸してみるか。」
「・・本気?「ZERO」に太刀打ちできる力なんて・・・」
「・・・・・可能性は・・ゼロじゃないだろ?」
本当にアイツら3人が拘束されているなら、仲間と呼べた3人だからこそ
きっと俺たちは助けにいくだろう。
例えそれが死に繋がる道だとしても、可能性がゼロじゃないかぎり
俺たちは前に進む。
「・・・・キ・・リト・・・タケオ・・・くん・・・」
そんなときだった。
話の話題になっていたアイツがやってきたのは。
■一言■
二話目です。基本的に今回はタケオさんが金持ちって事がポイントですかね。
どこからそのお金を入手しているかというのが今後重要に!(何)
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