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「愛しい」という気持ちは
伝わってなんぼだ。
恋愛ビーム
「それじゃあオヤスミ」
「オヤスミ」
そう云って俺とキリトは各々布団に入る。
とは云っても、俺のベットに二人で入ってるんだけど。
布団の中はひんやり冷たくて、あんまり先の方まで足を伸ばしたくはない。
でも、キリトが足をつつつっと寄せてくるので仕方なく足を伸ばす。
伸ばした俺の足の間にキリトの足が突っ込まれる。
これは何時もの事。
「冷たい足してんねー」
「冷え性だから」
「そうなの?」
「さあ」
「え?」
「手」
「えっ?あ、あぁ。はい手」
足を挟んだら、次は手。
手を繋いで寝るのも何時もの事。
足だけでなく手も冷たくて、俺は思わず肩に力を入れてしまう。
「手も冷たいなぁ。大丈夫?」
「寒い」
「もうちょっとこっち来ていいよ?離れてると寒いでしょ」
「うん」
俺が腰に手を回して引き寄せると
さっきまでの二人の隙間が嘘みたいに無くなって
キリトは俺の胸に顔を寄せる形になった。
お互いの身体と身体はぴったりくっついている。
「身体冷えてるね。ちゃんとお風呂浸かった?」
「シャワーだけ」
「あーちゃんと浸かってって云ったじゃんー!」
「面倒だったんだよ」
「駄目だってちゃんと浸かってこないとー!」
「いいの。お前が暖かけりゃ」
「そういう問題じゃないっつーの」
「うっさいなー。俺がいいってんだからいいんだよ」
「良くないッ!」
「馬鹿犬」
「馬鹿って云うなッ!!」
「もーいいから黙れ」
最近寒いからちゃんと湯船に浸かるんだよ?って
わざわざ云ったのに全然聞いてないじゃん人の話!!
「もーちゃんと明日からは浸かってよー?」
「判った判った」
「絶対判ってないよね」
「喧嘩売ってんのかお前」
「はぁ・・・」
「何でそこで溜息付くんだよ」
「キリトも馬鹿だなぁって・・・」
「黙れ(怒)」
「いってーーーー!殴るなよー!」
人の云う事聞かないわ、挙句の果てには喧嘩売ってるとか云われてさ
本当キリトも馬鹿だよねなんて思ってそれを口にしたら
思いっきり頭を殴られた。
や、口に出してしまった俺も馬鹿かもしれないけどさ。
「ぁんだとコラ。誰が馬鹿だ誰が」
「キリト」
「(怒)」
あぁまた口から出た。
聞かれて素直に答えてしまう辺りが馬鹿だ。
案の定俺の胸元にいるキリトの顔は鬼の形相。
ヤバイなぁと思ってると
キリトが突然身体を起こした。
「どうしたの?」
「お前さ、ホントに俺の事好きなワケ?」
「好きだよ」
「伝わらねぇな」
キリトの言葉に思わず俺も身体を起こす。
折角ぬくもった布団の中から暖かい空気が逃げ出す。
「何だよそれ」
「送ってる?俺に好きだーっての」
「送るって??」
「何かホラ・・・こう・・びびびーっと」
「ビームで?」
「うん何かそんな感じで」
「送ってるよ!俺スゲェ送ってるんだけどッ!!」
ビームっていうかさ、俺スゲェ大好きオーラ出してるのに
全然気付かないのかなキリトは。
潤君に意味もなくぶたれたりして、反論すると
そのオーラがウザイとか云われるぐらい出してるのに。
「そう?俺んとこまで届いてないんじゃない?」
「マジで?!どんだけ遠いとこに居るんだよ!!」
「・・・や、何か違うぞ」
「え?」
「遠いトコにいるとかそうじゃなくて・・・こんだけ近くに居ても伝わらないからさ」
「あぁそうか。距離じゃないか」
キリトの云う通り近くに居ても俺のそのオーラが届いてないってことは
他に何か理由があるんだよね。
「なぁ。アイジ」
「ん?」
他に理由なんてあるかなぁと俺が悩んでいるとふいに声をかけられる。
その声はさっきよりも幾分マジメに聞こえた。
「キスしよっか」
「え?キス?」
「そう。まだほらした事ねぇじゃん俺ら」
「う・・・うん。そりゃそうだけどさ」
「キスすれば少しはお前の気持ちが届くかも」
「ホント?届きそうな気がする?」
「する」
俺達は今更ながらキスの一つもしちゃいなかった。
俺自身キリトが大好きだけど、毎日みたいにこうやって
一緒に居て一緒に寝られるだけで幸せだと思ってたし
キリトもさすがに身体の関係までは嫌なんじゃないかと思って。
そう思ってなるべくそういう事は考えないようにしてたんだけど・・・
今俺の目の前に居るキリトは
俺の首に手を回して、俺の前に膝立ちしている。
「しよう。キス」
「あ・・うん。キリトがいいなら」
「じゃあするぞ?」
「うん」
何か立場的には俺がキスしてあげなきゃいけないのに
どういうわけか、キリトにリードしてもらっている。
目を閉じたら
唇にそっとキリトの唇が触れた。
うわ。
何か緊張する。
女の子とするのとは何か違った感じ。
唇が数秒触れて、軽く離れたかと思ったら
角度を変えてまた口付けらる。
下唇を軽く吸われて、完全に離れた時には
俺の意識はぼんやり霧がかっていた。
「・・・・気持ちよかった?」
「えっ・・?あー・・うん」
「そんな緊張すんなよ」
「伝わった・・?」
「ん、伝わった」
「ホント!?」
「少しな」
指でちょびっとだけ、と示してみせて
俺にぎゅうと抱きついてくるキリト。
あー・・
俺幸せかも。
「アイジー」
「うん?」
「犬」
「ッ!何だよそれー!!」
「でも好き」
また犬扱いされて反論しかけたら
俺の胸に顔をすりすりさせてキリトがそう呟いた。
何かこう
素直に云われると、意味もなく照れる。
「俺も好き」
「もっとビームだせよビーム」
「えー!俺スゲェ出してんだけどー!」
「伝わらなきゃ意味ねぇっちゅーの」
「そりゃそうだけどさ」
「俺が焦げちゃうぐらいの出してみろ」
「無理だよそんなのー」
「アイがあれば出せる」
「や、無理無理(笑)」
ビームやらなにやらって意味の判らない話になってきたけど
だけどこんな会話すら愛しく感じる。
背中に手を回して、しっかりと俺の背中を掴むキリトが物凄く愛しい。
「またバカップル扱いされるな」
「いいじゃん別にー」
「お前はよくても俺が嫌だ」
「何で?」
「だって俺馬鹿じゃねぇもん」
「それじゃあ俺が馬鹿みたいじゃん!」
「馬鹿だろ?」
「ムカツク・・・」
「お前は馬鹿でいいんだよ」
「よくない!」
「俺が天才でーお前が馬鹿だからー丁度つり合い取れていいんだよ」
キリトは自分が天才で、俺が馬鹿だと云う。
そんな二人が一緒に居たら丁度釣り合いが取れていいそうだ。
でも確かこんな言葉があったような・・・。
馬鹿と天才は
紙一重。
■一言■
もう何だコレ!?アイジ凄い馬鹿っぽいし…(汗)
何だか折角リクエスト頂けたのに申し訳ない限りです;;
ほのぼのなのかただの馬鹿なのか…うぅ。
兎にも角にもリクエスト有難う御座いました!!
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