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キリトが素直じゃない天邪鬼なら
俺は?
天邪鬼はどっち?
「なぁ潤」
「んぁ」
「遊んで」
「今無理」
「遊んで」
「だって今俺本読んでるし」
「遊べ」
「・・・・・・」
「無視すんな馬鹿ッ!!」
「いででででででででで」
仕事を終えて風呂にも入り終えて二人でまったりした時間を過ごしていた。
俺はベットにうつぶせになって、珍しくタケオ君が貸してくれた
ペットの雑誌を読みふけていた。
キリトは、俺の足元に腰かけて俺の足を突付いたりして
遊んでくれとちょっかいを掛けている。
借りた本が意外と面白くて、俺がそっちに熱中していると
それが面白くないのかキリトは俺の足をグリグリと捻ってきた。
「無視すんな!俺と遊べ!」
「だーからちょっと待ってってば」
「待てないッ!」
俺は雑誌からは目を離さず、足をバタバタさせて
キリトの攻撃を回避する。
「もうすぐ終わるから」
「今遊ぶんだよッ!」
「後10分」
「待てるか!!」
「じゃあ5分」
「・・・5分だけだぞ」
「んー」
5分と云ったら、待ってやると云ってくれて
俺はまた雑誌に集中する。
へー
新しい種類の猫こんなにいるんだー
欲しいなー
なんて思ってると俺の足がまた突付かれ始めた。
「まだ?」
「まだ1分も経ってないよ」
「そうか」
まだ1分も経ってないのに、キリトが「まだ?」と聞いてくる。
や、早すぎるから(笑)
あ、そういやそろそろリルのゲージ変えてやらなきゃなー。
新しいの買うかなー。
「まだ?」
「や、だからさ、まだだって(笑)」
「長いんだよッ!」
「たかが5分でしょうが!」
これじゃあ本に集中なんて出来やしない。
30秒置きに「まだ?」なんて聞かれてイチイチ相手してたら
読んでも頭に入るもんか。
俺は読んでいた雑誌をパタンと閉じた。
「終わった?」
「終わってないけど終わらせた」
「じゃあ遊んで」
「何して?」
「決めてない」
「はぁ?」
相手してやるより他にはないと、俺は雑誌をサイドテーブルに置く。
後でまた読めばいいか。
そう思って足元のキリトを見ると、何しようかなーなんてブツブツ云っていた。
「お前、何したい?」
「本読みたい」
「却下」
「何で(笑)」
「それじゃあ俺が暇だ」
「じゃああーたも一緒に読めばいいじゃん」
「別に動物に興味ねぇし」
「もー。我侭なんだから」
本の続きを読ませてくれと云っても読ませてくれるワケない。
一緒に読もうと誘ったら興味がないと云われた。
一体何がしたいんだか。
「なぁ何かないか?遊べる事」
「家の中じゃ限られるでしょうに」
「何か云え」
「無理だっつーに(笑)」
「じゃあ考える」
「うんじゃあ思いついたらまた云って」
じゃあキリトが考えてる間に、続き読もう。
そう思って雑誌を取ろうとしたら、背中にズシッと重みを感じる。
「うえ」
「雑誌は読むな」
「何でー・・重たいー・・・」
俺の背中の上にはちゃっかりキリトが腰を下ろして跨っている。
重たいー・・・。
「このまま考えるから待ってろ」
「せめて降りて・・・」
「無理」
「我侭だよあーた!(笑)」
「あ」
「へ?」
「思いついた」
「なぁに?」
「ゴロゴロしよう」
「ほ?」
ポンと手を打って、何を思いついたかと思えば
ゴロゴロしようなんて。
今、ゴロゴロしてんじゃん!!
「なぁゴロゴロして遊ぼう」
「や、今してるじゃん」
「違うっ。ゴロゴロしてるのはお前だけだ!」
「じゃあ、こっちおいでよ」
「おう」
ポンポンと自分の横を叩くと
キリトは背中から降りてモソモソと俺の横に寝転がった。
「で、ゴロゴロしてどうするの?」
「寝るの」
「はぁ?!それじゃあ遊んでないじゃん!(笑)」
「じゃあエッチする」
「・・・・何だかなー・・」
「何だよ」
エッチすると云ったキリトはじーっと俺を見つめていた。
っていうかさ、あーたもしかして・・・。
「最初っからエッチがしたかっただけじゃないの?」
「違う」
「したいならしたいって普通に誘ってよ」
「違うってんだろ」
「どーだか」
「っさい!するのかしねぇのかどっちだよ!」
どうせ最初っからエッチが目的だったんだろう。
でもそれを素直には云ってこない辺りがキリトだ。
本当素直じゃないなー。
「じゃあしない」
「え」
「だって俺本読みたいし」
素直じゃないあーたにちょっとお灸でも据えてやろうかと思って
エッチしないと云ってみたら、
びっくりするぐらい表情が変わった。
「そんなに雑誌がいいのかよ」
「中途半端は辛いじゃん。読みたいし」
「俺より?」
「今は」
「ッ!お前ムカツクッッ!!!」
「痛い痛い痛い痛い痛いッッッッ!!!!」
意地悪を云ったら、キリトに思いっきりボカボカと殴られた。
4,5発。
尋常じゃなく痛い。
「そんなに雑誌が良けりゃ雑誌とヤってろ馬鹿ッ!!!」
「ペット雑誌じゃ無理でしょうに(苦笑)」
「知るかッ!」
「怒んないでよ」
「怒るに決まってんだろッ!!」
キリトはぷいっとそっぽを向いてしまってこっちを向いてはくれない。
あー拗ねたなこりゃ。
「エッチしないの?」
「雑誌とヤってろ!」
「無理だよ」
「お前は雑誌のがいいんだろ!」
「雑誌じゃ無理」
つんつんと背中を突付いたらモゾモゾとどんどん離れて行ってしまう。
「キリトでしか感じないんだけどなー」
「今更知るか!!」
「キリトじゃなきゃイケないんだけどなー」
「自業自得だッ!」
離れていったキリトの傍にちょいちょいっと寄って
その身体を抱きしめたら、案の定モゾモゾと暴れる。
「離せ馬鹿ッ!」
「遊んでー」
「真似すんな!!!」
「エッチしたいんでしょ?しよ」
「ッ・・・やだッ・・勝手に進めんなッ!!」
抱きしめても暴れるから、首筋に後ろからキスをした。
それでもまだ暴れる。
「最近してなかったもんね。溜まってる?」
「っんぁ・・触んなよッ・・・」
「じゃあ触らないー」
キリトの下腹部に触れて、服の上から撫で上げると甘い声が必然的に漏れる。
あー溜まってるなこりゃ。
それを確認してから、俺はぱっとキリトから身を引いた。
「っえ・・・?」
「ヤなら辞めとこっか。俺も本読みたいし」
「ッ!本気ムカツクぞお前ッッ!!」
「素直じゃないあーたが悪い」
「俺は素直だッ!!」
「どこが(笑)」
雑誌を再度手にしようとすると、腕を掴まれてグイグイ引っ張られた。
「じゃあちゃんと云って。どうしたいの?」
「ッ・・・・エッチしたい・・・」
「何時もそれぐらい素直だったらなー」
「・・・ムカツク・・」
「おいでおいで。一緒にゴロゴロしよ」
ちょいちょいと寄ってきたキリトの身体を抱きしめる。
「溜まってんの?」
「・・・」
「一人でしないの?」
「するか馬鹿ッ!」
「そりゃ溜まるわな」
「お前は・・?」
「へ?俺?」
「ベットの下にエロ本とか」
「無い無い無い(笑)俺も一人じゃしないよ」
「お前も溜まってる?」
「さぁどうだろう」
「お前のが素直じゃないッッ!!」
「あひゃひゃひゃひゃ」
「耳元で笑うな馬鹿ッ!!!!」
「御免御免。そうだねー俺も素直じゃない」
キリトの事が素直じゃないだとか、天邪鬼だとか云うけど
実は俺も素直じゃない。
雑誌を読むフリをして、遊んでくれと誘うキリトを横目で見ていた。
エッチしたいと思っていたのは俺だって嘘じゃない。
キリトを丸め込むフリをして、実は俺の欲望に乗ってもらっていた。
素直にエッチしたいと云えないで、キリトの天邪鬼の所為にしちゃうのは
俺が素直じゃない証拠だ。
最も、天邪鬼は俺だったりして?
■一言■
最近こういう雰囲気の二人が大好きです。
何でもない話を書くのが何とも云えず♪
ほのぼのはやっぱり和みます。甘々もスキだー!!!
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