無料-
出会い-
花-
キャッシング
それは突然舞い込んだ不幸だった。
ミニマム大作戦。 U
仕事終えて、家に着いてソファーで愛猫を撫でながら
葉巻をふかしていたら、チャイムが鳴った。
何回も何回もけたたましく鳴らされて
「一体誰なんだ」と思って葉巻の火を落とし、玄関のドアを開けたら
そこにはキリトの姿が。
寒いのにマフラーすら巻いてない。
シャツの上からコートを羽織っているだけで、首が寒そうだ。
「どうしたの?寒そうな格好して・・・」
「ちょっと困った事になって」
「困った事?」
「そう」
まさか数日前みたいにまた身体が幼児化しただなんて
云わないだろうねぇ。と思ってみるが
いつものキリトと容姿はなんら変わらない。
「何事?俺んとこまで来るなんて」
「いや実は・・・」
「ん?」
「それがそのー・・・」
「なぁに?」
「小さくなったんだ」
「へ?」
「小さくなったんだよ」
まさかと思ってみれば、キリトの口からは想像通りの言葉が発せられた。
「小さくなった」
とは云うものの、別にキリトに小さくなったと思わせるような所は見当たらない。
「ドコが?」
「いやその・・・」
「何なの?」
「つまりー・・・っくしゅッ」
「あぁもうくしゃみしてー。そんな寒そうな格好してるからだよ。とりあえず中入りな」
ぴゅうと冷たい風が吹いて、鼻をくすぐられたキリトがくしゃみをした。
それを見て、俺は身体を寄せて中へと誘導する。
そして、玄関のドアを閉めようとした瞬間。
「挟まる挟まるーッ!!」
何?今の声??
その声は、キリトでもなければ俺でもない声。
どこかで聞いたことのある声だが、誰かまでは判らない。
しかしキョロキョロと辺りを見回しても、声の主の姿は見当たらなかった。
「空耳か」
そう思ってドアを再度閉めようとすると・・・
「挟まるってばーッッッッ!!!!」
と今度はドアが押しのけられた。
何だ!?と思ってふと膝元を見ると・・・・
見慣れた金髪頭。
鼻にはキラリと光るピアス。
俺のズボンをきゅっと掴む者は
俺の顔を不服そうな目で見上げていた。
それは紛れも無いウチのベースシスト。
「コッ!!!!コータァァァァッ!??!?!」
***
それがつい5分前の事。
「タケオ君のあの怪しい薬をコータが間違えて飲んだと・・・」
「そう」
「そう」
愛猫をゲージにしまい、ソファーの向かい側に二人を座らせた。
コータのその姿は、まさに数日前のキリトと同じ。
綺麗にそのままミニマム化してしまっている。
服は相変わらずダボダボで、キリトの服と思われるものを
袖と裾を折り返して着ていた。
キリトの横にちょこんと座るコータを見ていると
何だか俺の方が混乱してくる。
とりあえず、「どうぞ」と二人にお茶を出した。
「何であの怪しい薬を二人して疑いなく飲むかなぁ・・・」
二人の行動には言葉を失わされる。
紫にピンク色のリボンの巻かれた瓶なんて・・・・。
それを疑いなく口にする二人にはびっくりだ。
さすが兄弟。
「だって喉渇いてさー、たまたまお兄ぃんちの冷蔵庫開けたらあったから」
「何で冷蔵庫ん中に入れてんの!?」
「いやタケオが冷やした方が美味いとかどうとかって」
「だからさ・・・小さくなる事判ってるんだしさ・・・普通に冷蔵庫に入れるとかさ・・・」
二人を見ているだけでなく、二人の会話まで聞いていたら
もっと頭がおかしくなりそうだった。
タケオ君から貰った薬をどうして冷蔵庫に入れるのか・・・・。
しかも小さくなるのは判ってるのに!
大体なんでキリトも冷蔵庫になんて・・・・
って、あれ?
「ちょっと待って?何でコータがキリトんちに居たの?」
「あぁ、コータが・・・」
「わーーーーっっ!お兄ぃ!!云っちゃ駄目ッ!」
俺の言葉に、キリトが返答しようとすると
コータがソファーに立ち上がり、キリトの口を手でふさいだ。
「どういう事?」
「じゅッ・・・潤君には関係ないからッ!!」
俺に関係ない?
関係ない事ないだろう。
「キリト、どういう事?」
コータに聞いても隠し通そうとするので
俺はキリトに向き直り聞きなおした。
キリトはぷはっとコータの手を振り解くと
「コータの性欲処理に付き合ってやってたの」
そう答えた。
「んあ!?」
そりゃ変な声も出る。
「お兄ぃッ!!云わないでよそういう事ーッッ!」
「だって本当の事だろ?お前が溜まってるって云うから」
「わあぁあぁああぁっ!」
「こうして俺がお前のをヌいてやって・・・・」
「うぁああああぁぁッ!!!」
「ちょっと待って?」
「ぁんだよ潤」
「イチから説明してくれる?」
本当この兄弟の云う事には俺もお手上げだ。
話を聞いてみると
何でもコータの性欲処理に度々キリトが付き合っていたらしい。
最後までヤったりとかじゃなくて、本当「手伝う」程度。
っていうかさ・・・・
わざわざ弟の性欲処理に付き合ってやるなんて
スゲェ兄弟愛だな。
「へぇー・・・性欲処理ねぇ」
話を聞いて納得出来ないワケではない。
俺だってコータと同じ男だし?溜まる気持ちだって判るよ。
ただ。
「っていうか何で自分で処理しないの?」
どうして俺の愛しい相手を使うかってトコ。
気持ちはよーく判るけど、理解も出来るけど
この腹の虫だけは納まりそうにない。
そう云った俺の顔を見て、コータがビクつく。
あぁ多分相当な鬼の形相なのだろう。
「いやッ・・だってそれはそのっ・・・」
「だって何だって?」
「そんなに怒るなよ潤」
「怒ってないよ?俺は決して怒ってない」
「絶対嘘だーッッ!!!」
すでに額に汗をかき始めているいっぱいいっぱいなコータは
ひしっと横のキリトに縋り付く。
あぁまたそうやってくっつくだろ。
「潤、顔が怖い」
「あーたも弟だからってそこまでしてやることないでしょうに」
「や、俺だってヤるつもり無かったんだけどさ、コータがどうしてもって聞かねぇんだよ」
「へぇ・・・。どうしてもねぇ」
「だから怖いって」
すでにコータは物一つ云えず、キリトに縋り付き怯えている。
「とりあえず。次から性欲処理なら俺が付き合ってやるからさ、コータ」
「遠慮しときます・・・」
「遠慮するなよ。出なくなるまで搾り出してやるから」
「潤、本気怖いから」
キリトは紅茶を飲み、俺に突っ込みを入れる。
俺の愛しい相手を性欲処理に使おうだなんて
弟と云えど100年早い。
「とりあえず、問題はソコじゃねぇだろ。コイツを元に戻さなきゃ」
「戻らない方がいんじゃない?」
「顔笑ってねぇんだよお前」
あぁ確かに戻らないで、子供のままでいれば
性欲処理にキリトを使おうだなんて思わないだろう。
でもコータを責めていても仕方ないので
これぐらいで勘弁してやろう。
コータは何時の間にかスッポリとキリトの後ろに隠れてしまっていた。
「で、結局なんだっけ?朝になれば戻るんだっけ?」
「あぁうん。時間で戻るとか云ってたから朝には戻ると思うよ」
「だとよコータ。良かったな」
「う・・うん。良かったような良くないような・・・」
「ぁんだよ、折角潤のとこに連れてきてやったのに」
「とりあえず、あーたどうすんの?泊まってく?」
「え?あ、あぁ泊まる。もう帰るの面倒だ」
「うぇえぇええっ!?お兄ぃ、泊まるの!??!」
「何だよ、何か問題でもあんのか?」
「いやっ・・・ない・・・けど・・」
泊まると云い出したキリトに、コータの顔色が変わる。
俺の顔色をキリトの影からチラチラ伺っている辺りを見ると・・・
「いいよ、コータも一緒に泊まっていきな」
「でも俺邪魔なんじゃ・・・・」
「よく判ってるー」
「もういじめんなっつーの」
「嘘だよ。俺のベット、二人で使えばいいから」
俺はそういうと、キリトが以前着ていた半袖半ズボンのパジャマをコータに渡す。
勿論、キリトにはキリト専用のパジャマを渡した。
「あ、有難う」
「お、それ俺が小さくなった時にも着てた奴」
「そうなの?」
「小さくなった身体にはそのパジャマが丁度いいんだよ」
「へぇ」
「コータ、お風呂入る?」
「あっ入るッ!」
「じゃあ先どうぞ」
「有難う!」
さっき風呂沸かしたなぁと思い出し
コータに勧めると、コータは「入る!」と元気にソファーを飛び降りた。
「ゆっくり浸かっておいでよー」
「おうッ!」
パジャマを抱えてとてとて走りながらコータは風呂場に向かった。
さてと。
「エッチならしねぇぞ」
「うあー・・まだ何も云ってないのに・・・」
「云い掛けたクセに」
キリトの横に腰を下ろしただけで、まだ何も云ってないのに
キリトは紅茶を口にしながらそう云った。
「別にそんなんじゃないよ。ただちょっと触発されて」
「触発ぅ?コータにか?」
「まぁそんなとこ。あーたが手伝ったりするから」
「手伝ったってフェラしてやっただけだぞ?」
「それが駄目だってんの」
「何だよ、駄目なのか?」
「駄目に決まってんでしょッ」
フェラしただけだなんて、何を眠い事云ってんだ。
弟だからってそこまでしてやる事ないんじゃない??
「とりあえず、今度から絶対しないで」
「お前・・妬いてんのか?」
「妬いてるよ。凄い妬いてる」
「くっだんねぇ。コータになんて触発されんなよ」
キリトはそういうと、するりと俺の首に腕を絡めてくる。
「あーた云ってる事とやってる事違うよ」
「仕方ねぇからお前に付き合ってやってんだろ」
絡めた腕で首を引き寄せ、俺の首筋にキスをした。
「コータ出てきたらどうする?」
「そん時はそん時だろ。早くしろ馬鹿」
「はいはい」
ソファーにそのまま身体を横たえて覆いかぶさる。
首筋に唇を寄せると、小さな喘ぎ声が聞こえた。
「最後まですんの?」
「お前次第」
「何それ」
「お前が俺をその気にさせれたら」
「そしたら最後までしていいんだね?」
「おう」
「俺本気になるよ?」
「やってみろ馬鹿」
「辞めないからね?」
「もういいからさっさと来い」
「はいはい」
どうやらキリトをその気にさせれたら
最後までさせてくれるらしい。
そういうなら俺にも手があるしね。
俺は鎖骨に軽く痕をつけると
キリトのズボンのジッパーに手をかけた。
が、それを簡単に阻止されてしまう。
ふと顔を見上げると、「エッ!?」って顔をしているキリトと目が合う。
「えっ!?オイオイッ!」
「何?」
「なんでイキナリなんだよ!」
「や、こっちのがその気にさせるなら早いじゃん」
「そうっ・・・だけどさ」
「コータが出てきちゃうしね」
俺は阻止する手を振り解き、ズボンと下着をスルリと脱がせた。
まだ反応もしていないキリトのモノが露になる。
「ッ・・・」
「何?恥ずかしいの?」
「そんなんじゃねぇよッ!」
「顔赤いよ?」
「黙れ馬鹿ッ!って・・・ぅあッ!」
「やっぱ痛い?」
露になったモノには手を触れず、
イキナリ後ろに指をあてがいペロリと舐めた指を差し込むと
キリトが苦痛に顔を歪ませた。
「ったり前だろッ!!痛いッ!」
「大丈夫。すぐ慣れるから。何時も俺の咥え込んでんだから平気でしょ」
「んなワケねぇだろ!」
「大丈夫。ココとかイイんじゃないの?」
「ッあ」
ギチギチと窮屈そうな音を立てるソコに
無理矢理指を第二関節あたりまで差し込み
クイと指を上に曲げると、キリトは顔を背けて声を上げた。
「ココだよね」
「あッ・・あ、んんッ・・・」
「コッチも勃ってきてるよ」
「はぁッ・・・っ・・・」
「その気になってきた?」
「まだまだァッ」
「上等。辛くなったら云いなよー」
キリトの感じる所を指で刺激してやる度に
女かと思う程の声を上げる。
徐々に熱を帯び始めたソコには敢えて手は触れずに
後ろばかりを攻め続けた。
そのうちにキリトの息が上がり始めて
ソファーを荒々しく掴んだりと動きが忙しなくなってくる。
上からおぼつかない視界で俺を見つめて
何かしら云いたげな表情。
「どした?」
「はッ・・・はぁッ・・・ソコばっか・・・じゃなくて」
「どうして欲しい?その気になったの?」
「もッ・・・もういいからッ・・・来いよ・・」
「ん。おっけ」
本当はもっとギリギリまで粘ってもよかったけど、可哀想だし。
俺はすでに勃ち上がっていた自分のモノを引き出し
腰を浮かせると指を抜いたソコにあてがった。
「入れるよ?平気?」
「早くッ・・・」
「下しか攻めてないのに。イイ感度してんね本当」
「潤ッ」
「判ってるよ」
くちゅりと先端を差し入れると、キリトが身体を反り返らせる。
その身体を支えて、一気に奥まで突き入れた。
「あぁッ!・・・んんぁ」
「気持ちい?」
「動けよッ・・・しんどッ・・・い」
「あーたのがその気になってんじゃん」
「馬鹿ッ!・・・コータが出て・・・来るからッ・・・はッ・・・」
「もう出てんだけど」
その声は当たり前のように俺たちの後ろから聞こえてきた。
我耳を疑うように、二人で振り返ると
そこには、パジャマを着て湯上りサッパリなコータの姿が。
顔は、微妙だ。
まぁ当たり前か。
「ッ!!コータッ!!」
「お兄ぃーーー!!!!!」
キリトの驚きの声で、コータの固まっていた動きが解ける。
俺の下にいるキリトに駆け寄ると、俺とキリトを引き離そうとした。
「やめてよ潤君ッ!お兄ぃから離れてー!」
「や、今辞めたら俺もキリトも辛いし」
「潤君にやらせるぐらいなら俺がやるー!!!!」
「絶対駄目」
「ッあ!!」
コータは必死にキリトに抱きついて引き離そうとするが
俺がそんな事させない。
大体もう入れちゃってんのに無理だっつーの。
引き離そうとするコータを尻目に、俺はキリトの身体を遠慮なく突き上げる。
信じられないと云った顔をキリトが見せたが
それも突き上げる度に快楽の表情へと変わる。
「ホラ、コータ邪魔」
「ッ!辞めてよ潤君ッ!」
「ッあんッ・・・んぅっ・・・はッ・・・」
「や、だから辞めたら愛しいお兄ちゃんが苦しいからさ」
「うっ・・・」
キリトは顔をコータから背ける。
が、腰を奥へ奥へと進める度に声が上がる。
その声にコータは耳まで真っ赤にしてたじつついた。
「コタ・・・ッ・・」
「何ッ!?何お兄ぃッ!!」
「向こう云ってろッ・・・すぐ済むから」
「でもッ!」
「向こう行ってろってッ・・・はッん!・・・あっんッ!」
「だってコータ」
「ッ!ムカツク潤君ッ!後で覚えてろよっっ!!!!!!」
愛しいお兄ちゃんの後押しもあり、コータは耳を塞ぎながら
負け惜しみを吐きつつ寝室へと走って行った。
「早くッ・・・終わらせろ」
「はいはい。大体あーたから誘ったんだからね」
「わーってるよ・・・早くッ」
「ん」
早くしろと急かすので、奥へ進める腰の動きを早くして
キリト自身も根元から上下に抜いてやった。
すぐに絶頂は迎えられ、二人で果てた後
余韻もクソもないままキリトは風呂へと直行した。
っていうかさ、あーたから誘っといてそれはないでしょうに・・・。
弟君にも見られちゃうしね。
今頃愛しいお兄ちゃんの甘い声に鼻血でも出してんじゃないだろうか。
あーなんか疲れた。
***
結局コータの身体は朝起きたら元通りで
目が覚めた俺はこっぴどくコータに怒られた。
というか文句を云われた。
何で俺ばっかり怒られなきゃいけないんだ。
元はといえば・・・・
タケオ君が悪いんじゃねぇの?
■一言■
一応前作の続編です。
当初は全然内容も違ったんですがただのエロ小説に…御免なさい…。
コータもタケオドラッグの餌食になりました。
さぁ次はだーれだ(笑)
[PR]動画